360万パワー

1977年生まれ

ルミネのCMから考えるハイキーとダサピンク

ルミネのCM(ネット用CM)が酷いと炎上し、公開中止、謝罪となりました。

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ルミネの“女性応援CM”が炎上──女性をけなす第1話に非難殺到、一方2話目では…… - ねとらぼ

私は1話しかみていないのですが、そんなに酷いのかなぁというのが正直なところです。

酷いとされるコーヒーを持ったメガネの男性に対する指摘はわかります。 ただ、安っぽいステレオタイプなキャラであることを考えると、最終的には2人の女性から見下される流れも十分に考えられます。

間違いなく女性から陰口を言われる軽蔑されるタイプ、という女性からの指摘があり、女性向けCMでそういう存在をしっかりと描いていることを考えると、今後の展開でオチとして使われる可能性が高いキャラと見るべきでしょう。

1話しか見ていないし、関係者以外は公開された2話までしか見ていないので、なんとも言えないところではありますが、「需要が違う」という言葉はこの男性に返ってくるのだろうと私は捉えました。

しかし、知ることの出来ない今後の展開を想像しても意味がありません。 1話の最後のから展開するであろう「変わる」っていうのがどういう風に変わるのか、その捉え方で酷いと思うのか、そうでもないと思うのか、感じ方は変わるでしょう。

私には髪を巻くような変わり方を目指しが決意には見えなかった。上っ面しか見ていない男性キャラを見返す展開は十分に想像できました。

しかし、髪を巻く方向を目指したと感じる方が多かったようです。この違いはどこから生まれたのでしょうか?

私は映像の雰囲気とその感じ方に違いがあったのではないかと考えます。

ダサピンク色調

ルミネのCMの映像で特徴的なのはハイキー調で、色調もニュートラルとはほど遠いマゼンタ被り、ピンクのような色調です。

この色調がダサピンクと被ったのかもしれません。 色調に加え、ハイキー調にも問題があったのかもしれません。 ハイキー調好きなんでしょ?という意識はダサピンク問題に通じるものがあります。 ハイキー調というのは、露出オーバーの状態で画面全体が明るく、コントラストが抑えられた状態です。

例えば、同じ内容が「相棒」に使われるような銀残し風だったら捉え方はだいぶ違ったのではないでしょうか?

銀残しは彩度が低くコントラストを強くしたもので、市川崑の「おとうと」で最初に使われたと言われます。 銀残しは原版となるフィルムが傷みやすいので写真ではあまり使われませんでしたが、デジタル時代になり「銀残し」風(ブリーチバイパス)はよく使われるようになりました(デジカメやアプリのフィルターに大抵あります)。 ルミネのCMが銀残し風に仕上げてあったら、巻き髪に変わるというよりも男性が突き落とされるような展開予想が多数派だったでしょう。

最後に色調が変わる

たらればの話しをしてもしょうがないので、実際の映像に話を戻すと、最後の変わらなきゃというシーンの色調がピンクっぽくないのです。 やっぱり、ニュートラルな色調ではなく、今度は青い色被りが使われています。

それまでのピンクっぽい色調とガラッと変わっているわけで、その色調の転換は決意の方向を示しているのでしょう。 そうでなければ、色調の変化は無駄な混乱を引き起こすだけで、意味のない気まぐれです。 気まぐれだと考えるよりも、変わる方向が巻き髪とは違う方向であると考える方がリーズナブル。

これはダサピンク的色調の世界との決別であり、ダサピンクに対して批判的であると考えるべきです。 写真で云うと川内倫子っぽい色調です。

the eyes,the ears,

the eyes,the ears,

しかし、そう捉えられなかった。 これを映像に対するリテラシーが不足していると切り捨てるのは簡単ですが、伝える側の力不足を反省すべきでしょう。

まとめ

女性向け広告に使われるダサピンク的なハイキー調の写真が糾弾される日もすぐそこにあるかもしれないと思うと、もしかしたら広告写真界隈の転換点となる可能性が微レ存。