タダで見せたいしお金を貰いたいという感情は矛盾しないけど、キングコング西野お前は駄目だ
キングコング西野絵本無料公開炎上事件、統一された呼称はいまのところないようですが、上手いこと名前を付けている方もいるのでしょう。見つけられなかったけど。
さて、同じものを無料で見れるけど有料で販売もしている、というやり方は今では珍しくありませんが、私の好きな写真界隈ではず~っと前から普通でした。ギャラリーで見るのはタダだけどプリントは数万円~数十万円なんてのは普通です。写真に限らず、ギャラリーはそういうもんです。
Twitterとは対照的にInstagramの世界的な隆盛からもわかるように写真とインターネットの相性はいいせいか、ギャラリーでタダで見られるだけでなくプリントを買うと数十万円という写真であってもネット上でタダで見せることも珍しくないし、普通です。いたって普通。全然普通。
写真界隈において、写真家がタダで見られることを嫌うなんて話は聞いたことがありません。タダでいいからとりあえず見て欲しいと考えている写真家がほとんどでしょう。これは写真に限りません。タダで見せたいという感情はクリエイターの性でしょう。
では作品を通してお金を貰いたいというのがクリエイターにあるまじき感情かというと、そんなことはありません。作品を見てもらうのはそれだけで嬉しいものですが、対価を頂くことも嬉しいものです。もちろんお金が沢山あった方が嬉しいという事もありますが、お金はわかりやすい評価です。この世界でお金ほど共有出来、信頼できる価値はありません。
で、私が考える西野絵本炎上問題は「お金の奴隷解放宣言」という言葉にあります。これが何を指すのかわかりにくい。西野本人がお金に対して自由でありたいと思わせるようで、そうではなかったり。
絵本が売れたことはイコール評価してもらった、価値を認めてもらえたと素直に表現したらいいのに、そうじゃない。ああだこうだといらない言葉を付け足す。村上隆は作品の値段が釣りあっがったのは作品に対する評価だ!と言い切るその辺が潔くて好きです。
- 作者: 村上隆
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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芸術家はエゴイスティックな人が少なくありませんが、西野もその一人なのかもしれません。ただエゴイスティックな芸術家の多くはその利己的な感情を悪びれるわけでもなく、正当化するわけでもなく、隠そうともしません。一方で西野はその辺を隠そう、正当化しようとしているようで鼻につくのかなぁと思います。恩着せがましいというか。
西野が嫌いな方は村上隆も嫌いじゃないかなぁという気がします。私は村上隆はわかりやすくて好きですが、西野はそうじゃありません。