写ルンですのブームとInstagramと偽日記
写ルンですが何度目かのブームです。
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2017/02/13
- メディア: ムック
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フィルム全盛期が2000年で現在の売上はその1%くらいらしいので、2000年頃と比べたら全然使われていないと思うけど、1%になってから売上が増えるのだから十分にブームといえるでしょう。
写ルンですを使っている人のTwitterなりInstagramを見ると、写ルンですを持ち歩き撮ることも含めてTwitterなりInstagramにあげています。写ルンですで撮った写真だけをあげているわけではない。そこからは撮った写真だけを求めているわけではなく、写ルンですを持ち歩いたり撮ったり現像したりという行為まで全て含めて価値を見出しているように思えます。
ミッキーマウスの写真をあげているのを見て、ディズニーランドまで行かなくてもミッキーマウスのぬいぐるみを撮ればいいじゃないか!なんて考えませんが、写ルンですで撮った写真を見て、わざわざフィルムで撮らなくてもデジカメで撮ってフィルターかければいいじゃないか、なんて考えてしまいます。全然違う。
ミッキーマウスを撮りたいのではなく、ディズニーランドで撮りたい。フィルムで撮りたいわけでもフィルム風の写真にしたいわけでもなく、写ルンですで撮りたい。ディズニーランドで撮りたいというのはそこならミッキーマウスがいるからというだけでなく、ディズニーランドを楽しんだんだよってInstagramで伝えたい、そんな風に見て欲しい。という事。写ルンですもそうで、写ルンですを楽しんでいるんだなって思われたい。わかりにくい例えだけど、たぶんそう。
だから、スマホで撮ってフィルムっぽくしても意味がない。写ルンです以外のフィルムカメラで撮るのもいいかもしれないけど、伝わりにくい。特定のフィルムカメラが流行れば、写ルンですではなくそれが使われるようになるかもしれないけど。カメラメーカーはデジカメで写ルンですのようなブームを作りたいところでしょうが、ちょっと難しいでしょう。GR Digital、GRはそういうところがなきにしもあらずだったので、Instagramを通じて若い人たちにもう一度流行る可能性もあるとは思います。でも難しいでしょう。写ルンですはフィルムカメラらしい写りもありますし、現像に出すなどの行動も必要ですが、デジカメになると撮るだけ。撮ってすぐに上げられるとこも、よくないかもしれません。
写ルンですなら、2週間前でも1ヶ月の写真でも上げやすいけど、デジカメで撮った写真を1ヶ月経ってから上げる理由がありません。デジカメで撮ったものでも何か特別な写真であれば、あえて時間が経ってからあげてもおかしくないけど、Instagramを通じて伝えることの良し悪しも考えないといけない。ただの自慢でうざくならないか、暇で全然キラキラしていないと思われやしないか、色々考えているんでしょう。
写ルンですであれば1ヶ月前に撮ったものでも1年前のものでも「やっと現像してきた」としてしまえば関係ありません。アラーキーは日付を写し込むカメラに偽りの日付を設定し撮影した写真を写真集に使っていますが、もしかしたらそれに近い感覚なのかもしれません。キラキラしていない時のTLを埋めるため、写ルンですとスマホで撮った写真をあべこべに並べ、時系列を作りかえることで自分を演出することが可能になります。
どこまで考えているかわかりませんが、フィルムで撮るのが目新しいから、なんて無垢な感じではないと思います。
最期に10年ちょっと前にフィルムで撮った写真。
FUJIFILM フジカラーレンズ付フィルム 写ルンです スタンダードタイプ シンプルエース 27枚撮り LF S-ACE NP FL 27SH 1
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2014/03/19
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