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1977年生まれ

沢山の雷を1枚の写真に収める方法

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長時間露光での撮影と書いてある方もいますが、比較明合成というやつです。単純な長時間露光とは異なるので、区別するために私は長時間露光とは呼びません。 この写真を単純な長時間露光で撮ると、街の夜景が白く飛んでしまいます。そして白飛びせずに街並みがしっかりと見えるのがこの写真のポイントです。

花火を比較明合成したので、わかりやすくGIFにしてみました。

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花火は消えずにどんどん増えていくのはわかると思います。花火を撮る場合、十数秒も長時間露光をすると線ばっかりになってしまいますが、数秒のシャッタースピードで撮影したものを比較明合成すればこのように複数の花火が同時に上がったかのような写真になります。

また、花火以外の暗い部分は暗いまま、ちょっと明るい部分はちょっと明るいままに仕上がるのも比較明合成の特徴です。この写真の場合はもうちょっと街並みが見えるといいのですが、田舎なので仕方がありません。

さて、件の雷の写真ですが、

約1時間、40秒ごとのインターバル撮影を81回行い と書いてあります。

恐らくシャッタースピードが20秒くらいで、シャッターを閉じてから20秒間を置いて、次の撮影でまたシャッタースピードが20秒、20秒休んで次、という感じだったのかなぁと思います。

雷の撮影はいくら反射神経がよくても光ってから撮ろうと思っても間に合わないので、シャッターを開けっ放しにしておきます。 出来るだけシャッタースピードが長い方が雷が写る可能性が高くなります。結構絞っても写るのでf8とかf11とかにしたのかなぁと思います。

では、なぜ撮影の間に20秒のインターバルを設けているのかというと、ノイズリダクションが必要だから。シャッタースピードが長くなると、機種によりますが6秒くらいからでしょうか、シャッタースピードと同じ長さのノイズリダクションの時間が必要になります。なので、シャッタースピードが長くなると連続で撮り続けることができなくなります。インターバルが必要になります。

話しを戻すと、20秒の露光を81回繰り返すと1620秒、27分の露光になります。雷は沢山写るかもしれませんが、(相反則不規を考えても)街並みが白く飛んで面白くありません。街並みがちゃんと見えてこそ、一度に沢山の雷が落ちたように錯覚し、沢山のRTを集める写真になります。

そういう撮り方、合成のやり方があると知っていればRTしなかったかもしれませんが、私が見た、あの写真を上げていた人で、「パクツイ」のリプライがない人は当初から「これが浜松なわけがないw」みたいに書いてあったのでデマというかネタだと思いますが、人が撮った写真を勝手に使うのはどうかと思います(CC0の可能性もありますがInstagramにCC0はないと思うので)。

比較明合成の機能は最近のカメラなら大抵は備えてあると思うので、説明書を読んでみてください。言葉の説明ではわかりにくいですが、実際に使ってみると理解できます。花火の撮影はインターバル合成という比較明合成機能を(たぶん)真っ先に搭載したGRを使いました。