360万パワー

1977年生まれ

エヴァに熱くなるには年を取りすぎていたらしい

薄い本目当てに二回目のエヴァを見てきたけれど、本格的にこれで終わりだと思うと感慨深い。

平日の昼間ということで映画館はガラガラだったけれど男性よりも女性の方が少し多いかなというのは意外だった。 一回目の時は間違いなく男性が中心で女性は二割程度といったところだったから。 一般的な薄い本の購入層は女性の方が多いと思うけれど、エヴァ公式の薄い本も女性ファンの方が響いたのかもしれない。 薄い本は賛否あるようだけど、まさに薄い本といった内容でニマニマと出来た私はかなり満足。

本編は以前のものから少し手が入っているそうだけどそれは全くわからなかった。ただ一回目で気にならなかったことが気になったり、一回目で気になったことが思い違いだったり気になった理由がわかったり、薄い本だけでなく二回目の本編も楽しめた。 何度も見てああでもないこうでもないというのがエヴァの楽しみ方で、解釈だとかは人それぞれが好きなようにしたらいいのだろう。

ただ残念なのは公式がマリ=安野もよこ説を(ほぼ)否定しているのにそれが盛り上がらなかった。

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マリ=安野もよこ説に疑問を持つ私は嬉しいのですが、なにせ盛り上がらない。

人それぞれの解釈でいいと言った舌の根も乾かぬうちに反対のことを書くのもあれだけど、マリ=安野もよこ説という今作で強く支持された解釈が否定されたのに何故盛り上がらないのか。

公式に否定されてもなおマリ=安野もよこ説を支持する理由はいくつか思いつき、意地悪くそれらを指摘することも出来るかもしれないけれど、恐らく誰がそれをやってももう盛り上がらないのだと思う。

あれこれと考え続けるにはエヴァファンは年を取りすぎたから。

一方で制作側は考え続けていたわけで、まさにエヴァの呪縛だった(さらに言えば薄い本のセリフも)。エヴァから離れられないファンを揶揄して使うこともあったエヴァの呪縛だけど、我々はこうあって欲しいとは願っても妄想を巡らせることはなくなっていた。 他の人の様子を伺って受け入れそれ以上は受け入れない。 それっきり立ち止まっていた。立ち止まっているなんてまるっきり考えてもいなかったけれど今にして思えば間違いなく剛直に立ち止まっていた。

人の振り見て我が振り直せと言うように私達は自分を客観視出来ない。 年をとるとはこういうことなのかとエヴァから学ぶ事が出来たのかな、と。