360万パワー

1977年生まれ

アニメに寒い描写がある原因

anond.hatelabo.jp

アニメの寒い描写がきつい、これはわかります。寒いのは描写というよりは演出だと思います。言いたいことと思われるものを私なりに解釈します。

寒い描写というのは、テンプレな描写だと思います。どうしてテンプレ化するのかというと、お約束の演出は作品を成功させるために必要だから。オタク趣味は続けるほどどうしてもハイコンテクストになるのでコメディ的なものがウケるため、お約束が必要というか現物の安牌を切る感覚なんでしょう。FGOの成功の要因の一つに隠そうとしないテンプレにあると考えています。

一定数に確実に受ける要素にテンプレがある。SHIROBAKOやハケンアニメでもその辺の事情が描かれています。

ご存知の通り、現在制作されるアニメのほぼ全てが製作委員会方式で、様々な出資者がそれぞれの立場で成功のパターンをアニメ12話に詰め込むことが必要になり、その結果として最大公約数となるのが増田が寒いと感じる描写なんでしょう。最大公約数なのでアニメ、ラノベ、漫画でよく見られると感じ、よく見られるので寒く感じるのではないでしょうか。

外国、特にアニメ産業が盛り上がってきた中国から見て日本のアニメはどれも似たようなものという指摘には同意する意見が多いようです。これは日本のアニメにありがちなテンプレ設定、展開はよくないと感じている現れでしょう。一方で、セールス的にはテンプレは突出した成功は難しいかもしれないけれど失敗しても傷は浅いようです。

出資側は一か八かの年率100%でよりも堅実に10%で十分でしょう。1クールで百人以上、1億円以上が関わるアニメで食べ続けるには確実にペイ出来るものを作るのは当たり前です。不確実な作家性の高いものではなく確実に回収が見込める無難なものばかりになるのは当然の帰結でしょう。

そうであれば、寒い描写の責任はそれをありがたがるユーザー側にあります。でも最近は国内よりも海外展開を重視しているそうなので、寒いテンプレ描写は減少していくかもしれません。

ハケンアニメ! (マガジンハウス文庫)

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