ビフォーとアフターの違いについて語ろうと思います。
ビフォーも広角レンズを使っていて、画角はどちらも同じくらいで、どちらも16-35mmのような広角ズームを使ったんじゃないかと思います。カメラも似たようなものでしょう。

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機材は似たようなもので、違いは撮り方です。
広角レンズの使い方
水平垂直
ビフォーはなぜか水平垂直をとっていません。 広角レンズで撮ると遠近感が強調されるので、カメラを水平にしないと上がすぼんだり、下がすぼんだビフォーのような写真になります。 アフターは水平垂直がしっかりしているので、広角っぽさが和らいでいます。
手前に物が写っている
画角のかなり広いレンズ、超広角レンズを使うと手前に写るものは大きく、奥にあるものは小さく写り、遠近感がめちゃくちゃ強調されます。 ビフォーとアフター、どちらも同じくらいの画角、同じくらいの遠近感なのに、ビフォーは遠近感の使い方がすごく下手です。
例えばキッチンの写真、ビフォーは画面右上にペンダントライトが大きく写っていますが、アフターの写真を見るとそれほど大きなペンダントライトには見えません。
カウンターの天板も大きくて作業台のようです。
キッチンの次の写真、ダイニングの写真ではビフォーは椅子が6脚、アフターは5脚とアフターは手前の椅子を写していません。 手前の椅子が大きく写りすぎて、奥行きが狭そうに見えるからでしょう。
ビフォーとアフターは同じくらいの遠近感なのに、手前に物があるためビフォーは狭く、アフターは広く感じます。
写っているもの
床と天井
家具は背の低いものを選ぶ方が部屋が広く見える、なんてテクニックは模様替えの基本ですが、内装写真も似たところがあります。 同じ部屋でも床が沢山写っているよりも、天井が沢山写っている方が広く感じます。
ビフォーとアフターでは写っている床と天井の割合が逆転していて、素人くさいビフォーは床ばっかり写っています。 実際に住んだら、天井を見ることより床を見ることの方が多いと思うので、床が沢山写っている方が親切なのかもしれませんが、写真の見栄えは悪くなりますね。
余計なものが写っている
例えばバスルームの写真では、ビフォーは歯ブラシみたいなのがあったり、鏡には開いたドアとタオルのようなもの、ハンドタオルも写っていますが、アフターにはそれがありません。
住宅展示としてはタオルは置くかもしれませんが、内装写真としてのタオルは難しいものがあります。
子供部屋もなんだか家具が沢山うつっていますし、ダイニングも左側に写っている奥の部屋にガサゴソと何か写っています。
内装写真のテクニック
合成の有無
ビフォーは明らかにワンショットで合成していませんが、アフターはたぶんしています。 最近の内装写真は露出がことなる写真、ライティングが異なる写真を複数枚合成するのが主流です。
1回で撮影するワンショットでは明るい部分と暗い部分が出てきたり、間接照明の効果が薄くなったり、実際の印象と異なる写真になりやすいため、露出を変えた写真、ライティングを変えた写真を複数枚合成します。
たぶん、キッチンの写真は露出が違う写真をいくつか組み合わせているんじゃないかなぁと思います。
ライティング
店舗照明では入り口のある手間側よりも奥を明るくするのがいいとされています。今回の写真ではビフォーと比べるとアフターは奥が明るくなっている写真がいくつかあります。
例えば、L字のソファーがあるリビングの写真では階段が明らかに違います。折り返した階段が明るくなっています。
また画面左側のビフォーには写っていない窓と、窓から入る光が床に映り込むのも、上手く奥行きを見せています。
あと、室内にある照明は全部点灯されるのが基本で、ビフォーはだいたい点灯しているのですが、なぜか点灯していないところがいくつかあります。
わざとらくて、ナゾです。
質感
上手いなぁと思うのがベッドルームのカーペット。すごく質感がある写りになっています。 ビフォーは使い古したカーペットのように見えるのが、アフターではホテルのタオルのようなフカフカな感じの質化があります。
ベッドもビフォーはのっぺりとしていますが、アフターは木目を感じるドッシリとした印象を持ちます。
ビフォーはクリップオンストロボを直接あてているため、全体的に質感をだせていません。アフターの方はどういうライティングなのかわかりませんが、柔らかいものは柔らかく、硬いものは硬く、質感をうまく写しています。
まとめ
水平垂直
床よりも天井を写す
手前に物を置かない
照明は全部点灯
あたりは今日からでも使える内装写真のテクニックです。