サブカルという言葉はマンガ、アニメ、ゲームを指すことが多いように感じています。 10~15年くらい前は、もうちょっと色々なものというか、マイナー志向のあれこれを指していたような気がします。元々はハイカルチャーではないものをサブカルチャーと呼んだことが始まりで、伝統的で系統的な音楽や美術から外れた新しい音楽や美術を指す言葉だったと思います。アウトサイダーアートとか現代美術とか。だからマイナー志向というわけでもないわけで、10~15年前に私が感じていたサブカルとも違うわけですが。その頃よく使われたカルチュラル・スタディーズという言葉がありますが、カルチュラル・スタディーズという言葉が本のタイトルに使われなくなってどのくらいでしょうか。
最近のサブカルがマンガ、アニメ、ゲームなどのオタク文化とどのくらい重なるかというと、あんまり重なっていないような気もします。例えば服装に関してサブカルっぽさを場所で表現するとなると、秋葉原ではなくて原宿です。お店ならアニメイトじゃなくてヴィレッジヴァンガードです。
原宿っぽい格好をした人もアニメイトに行くと思いますが、そういう人の中にはヴィレッジヴァンガードにアニメの絵柄が入った商品置くなよ!みたいな事をいう人がいて、サブカルはオタク文化とはそれほど重なっていないんだろうなぁと思いはじめました。 逆にアニメやマンガにどっぷりと浸かっている人が、ブログやtwitterでサブカルという言葉を恐らくアニメやマンガを指して使っているのを目にして、やっぱりサブカルはアニメやマンガなのかとも思います。
サブカルをニワカの意味で使っている人もいるようですが、明らかにどっぷりと使っている人がサブカルという言葉を使っているのを見るので、どうなのかと思います。ニワカについては私は嫌いな言葉なので、そう思うだけかもしれません。私がサブカルに対してイメージするマイナー路線と、いわゆるニワカは矛盾するような気もします。
言葉なんて人によって捉え方が違うので使い方も人それぞれ違うのですが、どう捉えていいのかしっくりときません。
私が思う昔のサブカル
10~15年前のサブカルのイメージはSTUDIO VOICEかクイックジャパン、ぴあなど雑誌のイメージがあります。 STUDIO VOICEの休刊が2009年、ぴあ首都圏版の休刊が2011年でクイックジャパンはまだ続いています。
ぴあに関しては全ページカラー化したタイミングだったと思いますが、ポルノ映画の上映スケジュールがなくなり、夏にやっていたエロ特集もなくなり、生まれ変わった感がありましたが、それがいつのことなのかがわかりません。その時に「はみだしYOUとPIA」がなくなったような気がしますが、その後もあったような気もするし。ぴあの変遷をまとめたものはないのでしょうか?
この辺りの雑誌が取り上げるようなものがサブカルの王道というイメージがあったので、雑誌が下火になりネットに移行した時期がサブカルと呼ばれるものが変化したのかもしれません。
映画とサブカル
私がイメージするサブカルの中心の一つはミニシアター系の映画です。STUDIO VOICEに出てくる映画はミニシアター系が中心だったと思います。
ミニシアター系が2010年前後から続々と閉館していますが、ミニシアター系で最も早い閉館がシネヴィヴァン六本木ではないかと思います。これが1999年。ただ、シネヴィヴァン六本木はミニシアター系が全盛の頃に閉館したイメージがあるので、シネヴィヴァン六本木の閉館はミニシアター系の転換期ということはないでしょう。実際、渋谷のシネマライズで上映がはじまったアメリが2001年です。この前後がミニシアター系全盛でしょう。
ユーロスペースとアニメイトが同じ建物にありましたが、これは最近のサブカルに影響を与えているのでしょうか。私が思うサブカルと最近のサブカルが地理的に最も近かったのがこれだと思うのですがよくわかりません。
ところで最近は映画館といったらシネコンです。シネコンという言葉すら聞かなくなるくらい当たり前ですが、15年位前はまだ東宝、東映、松竹の映画館がそれぞれ別にあったような気がします。
一般社団法人日本映画製作者連盟の過去データ一覧表を見ると、減少していたスクリーン数が1995年頃から上昇に転じて、1999年にぐっと増えています。2004年頃からもどんどんスクリーン数が増えています。この辺がシネコンへ転じた頃なんだと思います。ちなみにタイタニックが1997年12月公開ですが、私がこれを見たのはシネコンではありませんでした。
シネコンによりスクリーン数が増え、マイナー路線の映画がシネコンで上映されるようになったのが2004年あたりなのかもしれません。
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舞台化、ミュージカル化
テニスの王子様のミュージカル、テニミュが始まったのが2003年だそうで、この辺りも転換期なのかなぁという気がしています。というのも、演劇を扱っていた雑誌は専門誌を除けばSTUDIO VOICEやクイックジャパンのような、私がサブカルを想起するものばかりだったと思うからです。
アニメ、マンガ、ゲームを原作にしたものはミュージカルに限らず舞台化が盛んで、最近は弱虫ペダルや刀剣乱舞などがあります。これらの舞台化は実写映画化と違い、叩かれないどころか好感をもたれているような印象があります。テニミュをちょっと見ただけですが、面白いので叩かれずに人気が出るのもわかります。
テニミュの前はサクラ大戦、セーラームーンあたりでしょうか?ただ、テニミュの系譜にある舞台化は若手イケメン俳優を起用した女性向けという印象があり、サクラ大戦やセーラームーンとはちょっと違う感じがします。サクラ大戦の系統はラブライブ!やアイマスのライブでしょうか?
テニスの王子様をなぜ舞台化、しかも何故ミュージカルにしようとしたのかよくわかりませんが、テニミュは私が思うサブカルと最近のサブカルの空気が混ざり合った分水嶺のようなものがあったのではないかという気がしています。

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お笑い
クイックジャパンはお笑い芸人をよく取り上げていますが、お笑い芸人をテーマにしたマンガやアニメは少ないような気がします。つまり、私が思うサブカルと最近のサブカルで混ざっていない部分です。
サブカル的なお笑いで思い浮かぶのがラーメンズで、ラーメンズが活躍したのはNHKの爆笑オンエアバトル。爆笑オンエアバトルのボールを入れる採点が紅白歌合戦に採用されたのが2002年と2003年ということなので、この頃が最盛期だったのでしょう。
ルミネtheよしもとのオープンが2001年で、今で言うところの現場が熱くなってきたのもこの頃なのかもしれません。ところで、この現場という言葉はいつから使われるようになったのでしょうか?はてなキーワードの履歴をみると2008年にハロプロ専門用語となっていて、2011年にハロプロ専門ではなくなったようです。
テニミュやアイドルの握手会、チェキ会など、メディアを介しないコンテンツはサブカルとオタク文化の融合と別離に大きく関係しているような気がするのですが、いまいち見えてきません。
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プロレス
プロレスもサブカルの一部だったような気がします。
日本テレビのプロレス中継が(地上波で)なくなったのが2009年、新日本プロレスの経営がユークスになったのが2006年で、黒字化が2010年、ブシロードに移ったのが2012年です。武藤や小島が全日に移籍したのは2002年。闘龍門がドラゴンゲートに名称が変わったのが2004年。
こうやって見ると、最近のプロレスが人気なのは当然の流れのように思えます。地上波テレビ中継がほとんどなくなったプロ野球はテレビに写らないのに観客動員数では上昇に転じていて、プロレスに限らずマスメディアからの転換の流れもサブカルの変遷を考える上でよく見る必要がありそうです。
まとめ
結局のところ、私が思うサブカルと最近のサブカルがどこで変わったのかまるでわからないのですが、2005年前後に色々変わったような感じはします。 ちなみにVOCALOIDの発売が2004年で、これも影響していそうです。
全然わからないのですが、一番わからないのはオタクという言葉を避けるためマンガ、アニメ、ゲームを一纏めにサブカルと使っているような感じを受ける人と、逆にマンガ、アニメ、ゲームをサブカルなんかと一緒にするな!というような人とが同居しているような印象があることです。
どちらがではなくて、どちらも正解なんだろうと思いますが、同居しているような印象が謎です。